2021年7月15日2 分幕末〜昭和を生きた津軽三味線の祖 山田千里(やまだ ちさと、Yamada Chisato)山田千里(1) 山田千里(やまだ・ちさと)は1931年(昭和6年)、豪雪地帯である白神山地の麓、西津軽郡赤石村(現在の鯵ヶ沢町)に生まれる。満州事変の年である。 父の儀助は集落に広大な土地を持つ豪農であった。猟師として働くかたわら、蓄音器で民謡のレコードを聴き、趣味で三味線...
2021年7月15日4 分幕末〜昭和を生きた津軽三味線の祖 高橋竹山(たかはし ちくざん、Takahashi Chikuzan)高橋竹山(1) 1970年代、木田林松栄のライバルとされた高橋竹山は津軽三味線を現代音楽として聴衆に認識させる契機をつくった一方の巨匠である。 竹山が東京・渋谷の小劇場ジァン・ジァンで定期演奏を開始したのが1973年12月だ。ジァン・ジァンは渋谷の公園通りの山手教会地下に1...
2021年6月14日4 分幕末〜昭和を生きた津軽三味線の祖 木田林松栄(きだ りんしょうえ、Kida Rinshoe)木田林松栄(1) 戦後日本が高度成長を遂げた1970年(昭和45年)ごろ、津軽三味線の二大名人として「弾きの竹山、叩きの林松栄」と対比され注目を集めたのが、高橋竹山(たかはし・ちくざん)と木田林松栄(きだ・りんしょうえ)である。...
2021年5月7日8 分幕末〜昭和を生きた津軽三味線の祖 三橋美智也(みはしみちや、Mihashi Michiya)三橋美智也(1) 三橋美智也が民謡歌手として初めてレコードの吹き込みをしたのは小学校6年生になる12歳の頃だった。8歳で全国民謡コンクールで優勝し、すでに民謡界の神童といわれるほどに名を馳せていた美智也にコロムビア・レコードから声がかかる。1942年(昭和17年)3月のこと...
2021年4月6日4 分幕末〜昭和を生きた津軽三味線の祖 白川軍八郎(しらかわぐんぱちろう、Gunpachiro Shirakawa)白川軍八郎(1) 大正6年(1917年)、この年還暦を迎えた仁太坊に9歳で弟子入りした白川軍八郎はめきめきと三味線の腕を上げ、14歳になる頃には仁太坊の奏法のほぼすべてを習得し、数百年に一度現れるかどうかの天才だとすら言われた。仁太坊から独立した後も、のちの津軽三味線の標準...
2021年3月8日7 分幕末〜昭和を生きた津軽三味線の祖 仁太坊(にたぼう、Nitaboh)邦楽史上、津軽三味線の始祖とされる伝説の三味線弾きといえば仁太坊である。 本名を秋元仁太郎(あきもと・にたろう)という。 「坊」とは坊様(ぼさま)の坊。津軽地方では門付け(かどづけ)をする男性の盲人のことを坊様といった。門付けとは人家の門前や庭に立って音曲を演奏し、祝儀を受...